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【イケメン戦国】時をかける妄想~

第7章 二人の宝物


暖かな日差しが降り注ぐ春――――。

優しい風に導かれるように
秀吉と凛の間に
舞い降りた双子の天使達は
もうすぐ二歳を迎えようとしている。



「こら、春日!そんなとこに登るな!」
落ちたら怪我するぞ!と、
今日も世話焼きお兄さん‥ではなく
世話焼きお父さんは忙しい。

「こーら、日向。それは食べ物じゃない。」
朝餉はもう食べただろう?と言い聞かせる。


最近、ようやく自分で立ち上がって
ヨチヨチと歩けるようになり、
行動範囲が広がってきた双子達。

一卵性の双子の男の子で
凛によく似た大きい瞳に
秀吉譲りの愛嬌の良さ。

何よりも愛する凛との子供。
可愛くないはずが無い。



今日は、信長様から頂けた久々の休み。

子供達と触れ合いたいのも
もちろんあるが、普段は育児を
任せっきりの凛に
少しでも気晴らしになればと、
子供達の世話を買って出た秀吉。

(本当に凛には感謝だな。)

日々成長する息子達。

行動範囲が広がれば
それだけ目配りも必要になる。
それも双子となれば
全てが倍に振りかかる。


「ちーち。」
春日が右袖を引けば、

「ちちえー。」
負けじと日向が左袖を引く。

「どうした?遊んで欲しいのか?」
まだ父上と言えない息子達に挟まれ
ウルウルと何が言いたげな瞳を見ると
秀吉は抱きしめずにはいられない。

(子供がこんなに可愛いとはな。)




「キキッ!」

ウリも遊んで欲しいのか、
双子の周りをグルグル歩き
服を引いては声を上げている。

「リー!」「ウーリ!」

春日と日向、それにウリは
キャッキャとはしゃぎながら、
パタパタと部屋中を走り回る。



「おいおい、コケるんじゃないぞー。」

その様子を見やる秀吉は
自然と頬が緩み、
幸せを噛み締めていた。

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