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【イケメン戦国】時をかける妄想~

第6章 幸せの欠片


政宗と想いが通じあった頃、
最近は大きな戦も無く
平穏な日々が続いていた。

「いい天気だね、照月。」
政宗の御殿に毎日のように訪れては
政宗と照月とこうして縁側で
のんびりと過ごしていた。

「照月は本当に凛が好きだな。」
照月は凛の膝の上で
ゴロゴロと喉を鳴らしている。

「ふふっ。こうしてるとホントに猫みたい。」
可愛いね、と猫にしては大きな身体を
凛は優しく撫でていた。


「おい。俺を忘れてないか?」
政宗はムッとしたように
凛の顎を掬い上げる。

「わ、忘れてないよっ!」
(ちっ‥近いっ!)

鼻と鼻がぶつかりそうな程の距離に
凛の顔は赤くなっていく。

「ぷっ‥顔が真っ赤だぞ。」
からかうように笑うと、
政宗は凛の頭を撫でる。

「もうっ!からかわないで!」
膝の上の照月を抱き上げ、
柔らかい毛並みに顔を埋める。

「ははっ!お前は本当に退屈しないな。」
ひとしきり、凛を撫でると
おもむろに政宗が立ち上がる。


「暇潰しに散歩でも行くか。」

「うん。」
照月をそっと降ろし、立ち上がる。


(戦が無いのはいい事だけど‥。)
最近政宗はどこか退屈そうだ。

暇潰しに、とよく城下を散歩がてら
見回りをするがいつものように
賑わう城下は小競り合いもなく、
平和そのものだった。

(何か政宗が楽しめる事してあげたいな。)
少し淋しげな政宗の横顔を見つめる。

「ほら、行くぞ。」
当たり前のように手を差し出され
その手をギュッと握る。


(後で皆に相談してみよう。)

凛は、ぼんやりと
そんな事を考えながら御殿を後にした。


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