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【イケメン戦国】時をかける妄想~

第4章 桜カーニバル


頬に触れる風は暖かく、
春の空気が心地よい。

安土城の桜も連日の暖かさで
満開になり、咲き誇っていた。



「お花見したい!です!」
朝餉を食べていた最中、
凛が唐突に切り出した。

「おっ!いい事言うじゃねえか!」
一番先に話に乗るのは隣に座る政宗。

「‥宴とか面倒くさいんだけど。」
政宗の正面に座る家康はボソリと呟く。

「私は是非とも家康様とご一緒したいです。」
家康の隣でニコニコと微笑む三成は
エンジェルスマイルを家康に向ける。


「‥お前は書物と花見でもしてろ。」

「‥!桜の下で書物を読むのも風情があって
いいですね!さすが家康様です!」

家康は三成に響かない嫌味を
ため息と共に吐き出した。

「‥ククっ。諦めろ家康。」
その様子を光秀は愉しげに見やる。



「そうだな。政務も一段落したし。」
桜も見頃ですし、と信長を仰ぎ見る秀吉。

朝餉を食べ終え、ゆったりと
脇息にもたれていた信長は
皆を見渡すとニヤリと愉しげに笑った。


「良いだろう。全員宴に備えるがいい。」
開宴は今夜だ、と持っていた扇を
パシンと閉じた。


「っよし!そうと決まればさっそく。」
と、政宗はすぐに立ち上がり
楽しそうに台所に向かう。

「さて、場所と灯りの手配だな。」

「そうですね。確か一番大きな桜は‥」
と、秀吉と三成も立ち上がる。


「‥ワサビに餌を‥。」
と、家康が立ち上がりかけると
その肩をポンっと光秀が叩く。

「お前は俺と酒の調達だ。」

「‥嫌です。」
光秀はニヤリと口に弧を描くと
そのまま、家康を引き摺るように
広間から出て行った。


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