第13章 俺の相棒【刀剣乱舞コラボ】
2XXX年、相模国第5087番本丸
1582年本能寺にて歴史修正主義者の
反応を確認。
速やかに刀剣男士を派遣し、
歴史修正を阻止せよ。以上。――――――
「おや、珍しい部隊編成ですねえ。」
「俺っちは異論ないな。」
「主命とあらば仕方あるまい。行くぞ。」
「久々の出陣ですな。」
「腕が鳴るね。かっこよく決めたいよね!」
「‥馴れ合うつもりは無い。」
「審神者様、お願い致します!」
「OK。」
審神者と呼ばれた男の肩から
小さな管狐がフワリと舞い降りて
騒がしい一行の足元に駆け寄る。
「じゃあ皆、気をつけてね。‥開門っ!」
審神者の手印が空を裂くと、
本丸に時空を越える為の渦が現れる。
「第一部隊、出陣!」
ブラックホールのようなその塊は
第一部隊と管狐を包み込むように広がり、
やがてシュルンと音を立てて消えた。
「‥ふう。」
歴史修正主義者と呼ばれる歴史の変革を
目論む、遡行軍に対抗すべく
時の政府は物に宿る思いや心を具現化
させる事の出来る「審神者」と、
審神者によって具現化された
刀の付喪神「刀剣男士」を各時代に
派遣し歴史を守ってきた。
「主~?」
「清光か?どうした?」
綺麗に伸ばした襟足を一つに束ね、
大きな猫目に真紅の瞳を持つ男士。
かの新撰組沖田総司の愛刀、加州清光。
「どうしてこんのすけも送ったの?」
「流石は初期刀様だな。」
審神者がフッと笑みを零す。
「なんだか嫌な予感がしてなー。」
こんのすけがいれば通信しやすいからな、
とポリポリ頭を掻いてみせる。
「そっか。まあアイツらなら大丈夫でしょ。」
お茶入れてくるから、ちょっと休みなね、
と言い残して清光は厨房へ向かった。
「‥ああ、そうだな。」
なにもなけりゃいいが、と
呟き空を見上げる。
嫌味なほどの晴天が
視界に広がった。