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【イケメン戦国】時をかける妄想~

第7章 二人の宝物


「はああ?!」
な、な、な‥と口をパクパクさせて
思わず立ち上がる幸村。

「やっぱりねー。」
うんうん、と頷いてみせる凛。

「そんなにビックリしなくても。」
頬を赤らめて恥ずかしがる千歳。




「なんで佐助なんだよ!」
全然意味わかんねー!と
幸村は部屋をウロウロし始めた。

「いいじゃない、佐助くん。」
優しいし、面白いし、と
佐助を思い浮かべる凛。


「まだ想いも告げてないけどね。」
子供扱いされっぱなしだし、
歳も離れてるから仕方ないけど‥。

「千歳、歳なんて関係ない。」
年齢も立場も、そんなもの
全部乗り越えれるんだから。

「母様は応援するからね!」

「ありがとう!お母様っ!」
沈みかけた表情がパッと明るくなる。



「あいつ、女に興味あんのか?」
マキビシにしか興味ねんじゃねえの?と
幸村は腕を組み、考える。

「そんな事ない!
今日だってでーと?したし!」

「でーと?」

「お父様知らないの?」
逢瀬って意味だよ、と千歳が
自慢気に鼻を鳴らして見せる。

「‥なっ!?お、逢瀬って!」
まさか口づけとかしてねえだろうな!と
声を荒げる幸村の顔は真っ赤だ。


「く、口づけなんてする訳ないでしょ!」
お父様の変態!すけべ!と
言い返す千歳の顔も真っ赤だ。



(素直なんだか、素直じゃないんだか。)

似たもの親子の言い争いを聞きながら
凛は一人、夜空を見上げ
娘の恋愛成就をひっそりと願った。


きっと、辛いこともたくさんある。
楽しいだけが恋じゃないから。

けど、千歳なら残り超えられる。
きっと成長に繋がると信じてる。




「お父様、また佐助とでーとしたい!」

「おー。好きにしろ。」



今日は七夕――――。

キラキラと輝く満天の星空が
駆け出したばかりの恋を
明るく照らしていた。


end.

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