第28章 君と私は桜の下で。
目の前が門だけど、
昇降口から自分のクラスを探しだし、そこからまた一年の教室は四階だから四階まであがるのか…
コイツとずっと一緒にいることになるんだけど…
すると、早速絡まれた。
「なぁ、お前の名前は?」
「あ、一ノ瀬って言う…」
急に名前なんて聞いてこないで!
怖いから!知らない人と…しかも男性となんて私には怖すぎるよ!?
「違う。一ノ瀬の下は?何て言うの?」
「え…忘れた」
「バカかお前は。なんで忘れるんだよ」
忘れてる訳じゃない。
けど、他人に名前を教えるのがなんかイヤで。
「最近、名前呼ばれてないからかな…?
だから忘れちゃったの。」
でも、誰にも名前を呼ばれてないのは嘘じゃない。
ホンとのこと。
「じゃあコレからは忘れねぇように、
俺が毎日お前の名前、読んでやるよ。」
誰かが私の名前を読んでくれるのが照れ臭くて
「そういうのいいから」
なんて、冷たくいい放ってしまった。