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【HQ】俺が恋したのは超鈍感少女だった

第20章 それぞれの気持ち。




苦しいよ…
テツ。
なんで…今はちゃんと私のこと見てくれる…よね?



「佳奈ちゃん。
ごめん…ごめんね。
こんな話聞きたくなかったよね…」

聞きたいって言ったのは私。
だからそれをちゃんとミホさんに伝える。
涙をこらえながら、
ミホさんの方に体を向けて話す。


「聞きたかったです…
…でも…苦しいっです…!」

最後には一筋の涙が頬を伝ってポタッと、
膝の上に置いていた自分の握りこぶしに落ちた。



「ごめんね…泣かせるつもりなんて無かったの。」


知ってる。
だってミホさんだって辛いの私知ってますもん。
話す時に時々見せた辛い顔。
まだ話してないところや、
飛ばしながら話したのを私知ってますよ。




ガチャ…と部屋のドアが開く音と同時に、
テツはミホさんの胸ぐらを掴んでいた。


「おい…何してんだよ。
何泣かせてんだよ…!
そんなに人が泣くの見て楽しいかよ?
辛い顔みて楽しんでんのか?
俺の時だって…」

「ごめん…なさい」

テツの声にかぶせるようにミホさんは謝る。
絶望したようなミホさんの顔。


あの顔をさせたのは私。



振り絞って声を出す。




「テツ…
ミホさんは…悪くない。
誰も悪くないの。
2人とも誤解してるよ…
昔色々あったんでしょ?
いいことも。
悪いことも。
なんで…なんで仲直りしないの…」


言い切った…
そう思った時だった。


頬に痛みが走ったのは。

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