第20章 それぞれの気持ち。
熱を持ってる頬に手を添えながら、
泣くのを必死に抑えて、
テツの顔を見る。
するとテツが口を開いた。
「なんも知らないクセにうっせえよ。
お前に関係ないだろ?」
「関係ないかもしれないけど…
でも…少しでも力になりたいって思うのはダメ?」
痛いけど今は、
泣かないでテツの顔をちゃんと見る。
逃げてばかりじゃダメなんだ。
ちゃんと向き合わないと。
テツは顔を左手で抑えながら、
小さく呟いた。
「その気持ちは嬉しい。
だけど、話したくないんだ…
ごめんな?」
私じゃテツのこと分かってられないから?
私がテツのことなんも知らないから?
私が今"泣いてる"から?
でも話したくないことぐらいあるの、
私知ってる。
泣きながらも意思表明はしっかりする。
「話したくないなら
話さなくていいよ。
ごめんね…変なこと…思い出しちゃったり…」
ミホさんが
声を荒らげる三秒前。