第2章 灰羽リエーフという男
「本当に家、隣だ…」
いや、ね
信じてなかった訳じゃないよ?
でもさ、同じ学校の、しかも同じ部活の人と
家隣とか凄すぎでは?
すると灰羽くんが私に言う
「一人暮らしですか?」
「あ…うん…」
1人か
別にいい。
“あの人”たちといるぐらいなら1人がいい
「どうしました?」
「なんでもない。
気にしないでいいよ。」
「一ノ瀬さんが言うなら…
でもなんかあったら言って下さいね」
「うん。
ありがと」
灰羽くんはなんて優しいんだろう。
嬉しいよ。
こんな後輩がいて
「あ、あの!家行きたいです!」
「いいよ。」
そんなキラキラした顔で言われたら断れないよ