第9章 妖刀「猫柳」
「本当に申し訳ない!!!」
来客は加治屋の亭主だった。
「あ?なんのことだ。さっぱり意味がわからねぇ」
状況が掴めない土方は亭主に説明を求めた。
「実は昨日山崎くんが代わりの刀として
持って帰った刀、あれは妖刀「猫柳」だ!」
「よっ妖刀だぁ?!」
妖刀と聞いて土方は嫌な記憶が甦る。
「いやぁ~うっかり間違えちゃってね。あんな地味な刀が妖刀だってことすっかり忘れてた。ついつい隣の派手な刀が妖刀だと思い込んじまってた!」
「おい、それって一体…」
「身に付けた者皆、猫になっちまう不思議な刀だ。そしてこの刀の恐ろしさは他の奴にその力が移ってしまうことだ。
そうだな。例えば勢いよく頭と頭をぶつけたりした衝撃だったりで移っちまう。
移した本人はケロッと元通り。」
「なんだよそれ…じゃあ今山崎は…」
『ふっ副長~~!山崎さんが!!!』
「ニャアっ」
そこには猫になった山崎がいた