第9章 妖刀「猫柳」
「どうすんだ。コイツ…」
加治屋の亭主が帰った後、
ゴロゴロと日向ぼっこをする見た目はそのままだが
心は猫の山崎に土方と近藤は頭を抱える。
亭主の話によるとその刀に取り憑いた猫が
なんらかの未練を残している。それが
満たされれば成仏して皆元通りなのだがその
「未練」がなんなのかさっぱりわからないと言う。
「可愛いですけどね」
猫じゃらしを持って山崎と戯れるナルミ。
「おい!ナルミ!山崎に近寄るな!
お前結構巻き込まれ体質なんだから
乗り移ったらどうする!」
土方は山崎をシッシッとあしらった。
「ニャア~」
「案外、水でもぶっかけりゃあ
目が覚めるんじゃないですかィ?」
「よっよせ!総悟!猫は水が苦手っ」
近藤の制止は間に合わず、
バッシャーーーン
「ニャアァァァァァア!!!」
水を顔にかけられた山崎は驚いて飛び上がった
「えっ!!ちょっ!!」
その飛び上がった先に巻き込まれ体質の
ナルミがいた。
ゴッチーーーーーーーーン!!!
頭と頭が見事にクリーンヒットした