第15章 おじさん
パシャッ
パシャッ
「いよぉ!い~ぞぉ栗子ぉ!
いょお!世界一!宇宙一!」
写真スタジオに松平の声が響く。
松平の声の先には
嬉しそうに顔を赤らめてはしゃぐ栗子と
「なんで、こんなことに、、、」と
ゲッソリ疲れた顔をした土方がカメラの前に立っていた。
栗子の頼みとあらば
絶対に叶えてあげたい松平のゴリ押しで
あれよあれよと気づけばイメージキャラクターのポスター撮影が始まっていた。
はぁ〜
イメージキャラクターなんて言い出すから
どうなるかと思ったけど
やらずに済んで良かった。
ホッと胸を撫で下ろすナルミ
けど、、、
チラッっと視線を向けると
栗子は土方にぴとっとくっつき
顔を赤らめて
「マヨラ様、、次はお姫様抱っこで撮影でございまする、、、」
とお願いしていた。
「あぁ?!やらねーよそんなこと!」
「ゴ〜ルァァ!!トシ!てめぇ〜なぁーに
栗子のお姫様抱っこ断ってるんだゴルァ!」
「あーうるせぇうるせぇ!やりゃーいんだろ!」
もうどうにでもなれ!と半ばヤケクソで
ヒョイっと軽々栗子をお姫様する土方に
「マヨラ様、、」
完全に目がハートになっている栗子。
それを見ていたナルミ
むむむむむ。
この状況になってしまったのは仕方ないけど
なんだろう、なんだかすごく、、
やだ!!
私の土方さんなのに!!
と以前は感じなかった嫉妬心を覚え始めていた。
それだけ日に日に土方への気持ちは大きくなっているのだろう