第12章 1日キャバ嬢
結局、ナルミを指名する客がいる度に食って掛かる土方はお妙によってホールでたちの悪い客がいないか監視する役目を与えられた。
「お妙さん!お待たせ!勝負はどうたい?
ナルミちゃん、今日は無理言ってすまなんだ!」
近藤が約束通り来店してきた。
「近藤さん。いらっしゃいませっ」
「お宅の副長さんがナルミちゃんに指名が来る度に大事なお客様締め上げるものですから、大苦戦ですよ。ったくどーしてくれんだゴリラ」
ニッコリとだけどどす黒い怒りのオーラをまとってお妙は近藤に詰め寄る
「安心してくれお妙さん!俺が来たからにはもう大丈夫!!とりあえず
ドンペリ~ニョ10本入れてくれ!!!!」
「さっすが物分かりのいいゴリラだわ
すいませーんドンペリ10本入れてくださーい」
近藤が駆けつけたお陰でグングンと売上げを
伸ばして行った。
その様子を見ていた土方は
「近藤さんが来てくれたらしばらくお妙とナルミを独占するな」
これでナルミを指名する野郎はいないだろう
そう安心してタバコに火を付けると
ちょんまげ店長の声がホールに響く
『ナルミちゃん指名入りましたー
3番テーブルお願いしまーす!』