第3章 次はオレの番【黄瀬】
黄瀬side
黄瀬「はぁ…。」
テストまであと4日という日の夜、黄瀬は1冊のノートを見つめながら何度目かのため息をした。
今日の放課後のこと
黄瀬「さぁ、今日も頑張るッスよ!」
『あ、あの黄瀬くん。』
黄瀬「ん?どうしたんスか?」
『これ良かったら…。』
黄瀬「ノート?……って、えっ!!これ全部っちが書いたんスか!?」
『う、うん。でも各教科の基本的なところしかまとめてないから、役に立つか分からないけど。』
黄瀬「充分ッスよ!!ありがとう、っち。」
『良かった、喜んでもらえて。』
黄瀬「でもこれまとめるの大変じゃなかったッスか?」
『ううん、全然。黄瀬くんのためにって思って書いてたら、大変だなんて思わなかったよ。』
黄瀬「えっ?」
『ん?私、何か変なこと言った?』
黄瀬「あっいや、そんなことないッスよ…。」
『そう?じゃあ、そろそろ勉強始めようか。』
黄瀬「そ、そうッスね。」
現在
(『黄瀬くんのためにって思って書いてたら、大変だなんて思わなかったよ。』)
黄瀬「オレのために、か…。」
は真面目で優しい性格なため、いつも自分のことよりも他人のためにと動いていた。
黄瀬も何度か助けられていた。
その姿を見ていたらいつの間にか惹かれていた。
黄瀬「このまま助けられてばかりじゃカッコ悪いッス。決めた!もし全教科赤点がなかったら、っちに告白するッス!!」