第1章 闇色夢綺譚~花綴り~
沖田総司…。
アレは、要注意人物だ…。
今日は延ばしに延ばされた(のかな?)私の尋問の日だ。
先程固まっていたイルカ…じゃなかった、斎藤一がそう言っていた。
さてと…次に呼ばれるまでにもう一度頭の中を整理しようか。
今朝の沖田総司の破廉恥事件で私のメモリがぶっ飛んでしまった訳で、用意していた私の設定を一から作り直す。
作り直すとは言っても、全て解りませんと答えるだけなのだが、土方十四郎…あ、また間違えた。歳三だ。
彼と沖田総司は言葉を選ばなければ確実に…
落とされる…。
身支度が済み、暫くすると廊下から声がかかる。
ハイ、解ってますよ。
「女子にこんな事するのは気が引けるんだけど…」
済まないねぇ…。
大丈夫です。貴方の声と笑顔だけで私にはお釣りが来ますから。
源さん。
申し訳無さそうに私の腕を後ろに回し紐?ロープ?縄??まぁ、それでぐるぐると縛りつける。
自分では解けない程度に緩めてくれてやっぱり優しいなぁと源さんに向かって微笑む。
すると源さんも眉をハの字にして微笑んで応えてくれた。
それから源さんと二人で屯所の廊下を歩いていると、一つの部屋の前で止まった。
此処に…彼等が居るんだ…。
源さんが一言掛け、扉を開ける。
「っ…!」
視線が私に集中する。
その中には殺気やら興味やら色々な目で私を見る。
何時もは感じる程度で済むのだが、直で受けると結構キツい。
そして、まぁ、アレですよ。
薄桜鬼な訳だから皆様揃って美形な訳ですよ。。
眩しくて、直視出来ないのです…。
目を閉じてそんな事を思っていると、源さんに近藤さんと土方さんの前に座ってと促される。
私は素直に従い彼等の前に膝を折った。
「雪村から少し話は聞いている。」
名は名前で間違いないか。
そう土方さんに問われ、素直に頷く。
まだ、大丈夫…。