第1章 闇色夢綺譚~花綴り~
【熱、包まれて】
何だろう…。
誰かに見られている、誰かが近くに居る…。
なのに、ちっとも嫌じゃない。
それはとても冷たいのに、私を包むその淡い熱は真綿の様にフワリと温かい。
そう、こんな感じに…。
ん?
こんな、感じ?
「ねぇ…早く起きたらどう?」
斬っちゃうよ?
「くぁwせdrftgyふじこlpッッ!!!」
声にならない声。
勿論だけど私の声は出ていない。
てか、てか、つかー!
何で私の布団に美形が居るんですか、コノヤロー。
マジ止めろ下さい!
「どうしたっ!」
と、声と同時にスパーンと障子が開く。
「あ、一君、おはよう」
お前はイルカかっ!!
めちゃくちゃ驚いた。
今でも心臓が破裂しそうなくらいドキドキしている。
どちらに驚いたかってそんなの両方に決まっているではないか。
美形は心臓に悪いって事が今此処でハッキリと証明された。
斎藤一は私の声にならない声を聞きつけた訳なんだが、何ですか。ストーカーですか?イルカですか?何なんですか。
…。
で、だ。沖田総司は何時まで私の布団に入っているつもりなんだ。
私の隣で平然と寛ぐ沖田総司。
ほら見ろ。斎藤一が固まってるではないか!
私は某天パ侍の様に死んだ魚の目をしていると、沖田総司が私の布団の中に潜り込んで来た。
「んー、やっぱり起きないで」
この辺とか温かくて気持ちいいからとそう言って私の腰に手を回し引き寄せる。
「…っ!」
布団で見えないが、沖田の手が私の太ももを弄っている。寝相が悪かったせいか、私の着ている夜着の帯はその役目を果たしていなかった。
「っ…っ!」
逃げようと身体を捩るも、私の手はいつの間にか帯で拘束され、私の上には沖田総司がのっかていて動く事が出来なかった。
「!!」
声が出ない事を良い事にして、その行為はどんどんとエスカレートし、脇腹、臍、そして胸へと沿って行ったのだ。
あ、ヤバい…。
ん…っ
「…っ!」
あっ…!
もう…っ