第1章 闇色夢綺譚~花綴り~
あれから何時間経ったのだろう。
障子の隙間から冷たい風が部屋全体を巡る。
一つ、身震いをし、さらに布団に潜り、寝返りを打つ。
これで何回目の寝返りだろうか。
寝れない…。
結局は色々と考え込んでしまい、布団でゴロゴロしていた。
天井を眺め、また一から頭の中を整理する。
この世界へ来る前の事。
私は出勤途中であった。
その日はもの凄く天気が良くて太陽に向かって日輪よー!って…。
これがきっかけか…?
そしたらあっちに行くだろう。
まぁ、どちらに行っても命はないだろうな。
こうやって布団に入って居られるのも奇跡だ。
そして気付いたらこの世界。
雪村千鶴が私の少し前に保護されたと言っていた。
そうすると、時間軸はアニメなら第一話って所か。
困ったな…。
アニメの内容も、歴史もうる覚えで今更だがこんな事なら真面目に歴史の勉強しておくべきだったと後悔する。
ただ、こんな経験は二度とはないだろう。
そして、二度と御免だ。
そんな事を考えていると、廊下にあった気配が入れ替わった。
交代の時間らしく、二人から一人になる。
この気配は…斎藤一だな。
この人の気配は嫌いではない。
あの時は微かに感じた程度だが、何処か、懐かしくもある。
あぁ、もっと、もっと考えなくてはならないのに、何故だか急に眠気が私を襲う。
斎藤一の気配に毒されたか。
今日はもうおしまい。
明日の事は明日考えよう。
そして、私は深い眠りにつく。