第6章 恋
あの日から高杉くんが頭から離れない。
『はぁ。』
神楽「どうしたアルカ?」
妙「ため息なんかついちゃって」
『ちょっとね…』
なんかもやもやする。
いつの間にか帰りのHRが終わっていた。
帰ろ。
銀八「新井。日誌書いたあとそこにあるノートついでに持ってきてくれ。」
今日日直だったよ…
私はさらさらっと日誌を書き、銀八の机の後ろの棚に手を伸ばす。が取れない。高すぎる。
机を持ってきて机に乗り、ノートをゆっくりと下ろす。
ガラガラガラ
『えっ?』
そこで私はバランスをくずす。
ドササササっと音を立てノートはすべて落ちる。
入ってきたのは高杉くん。
『いっ…』
ヤバイ。足首やらかした。
高杉「フッ。バカ。」
それだけ言って出て行った。
何なのよあいつー!!!
私は散らばったノートを集め、足が痛むが気力で立ち上がりやっと扉の前。
開けようとすると先にドアが開き、目の前には高杉くん。
高杉「何立ってんだ。その椅子でいい。座れ。」
私はおとなしく座る。するとも上履きを脱がされ、靴下を脱がされた。
『ちょちょ!』
私はなにしてんの!?と言おうとした時、腫れた部分には冷たい感触。
シップを貼られた。そして器用にくるくると包帯を巻いている。
高杉「ほら。出来だぞ。」
『あ、ありがとう。』
私が上履きを履き終わると、廊下から足音が聞こえてきた。
なんかあったら誤解される!どうしよう!
そう思い高杉の顔を見ると高杉の目線には掃除用具入れ。まさかの。あそこに隠れちゃう?
高杉は私の腕を引いてロッカーまで行った。
いたいいたい。こっち怪我人よ。
私だけが隠れるのではなく、高杉も一緒に隠れるらしい。何故!?
ロッカーは狭い。だから密着する。私は今高杉の腕の中にいます。
あの時の匂い。ドキドキする。
この音が伝わったらどうしよう。なんて考えていたら出て行った。
高杉「行った見てぇだ。ほら」
と手を差し伸べてくれる。どこまで紳士なんだよ。不良のくせに!
私はその手を取り、ノートを持っていくのを手伝ってもらって、一緒に下校した。
その日私はそれが恋だと実感した。