第5章 恨み?
『んっ…』
目が覚めると保健室。
高杉くんはいない。何故か寂しい。
外を見ると日が暮れている。
ガラガラガラ
『先生?』
シャっとカーテンが空いた。そこにいたのは私のかばんを持って帰りの支度を済ませた高杉くんだった。
『高杉くん?それ…』
高杉「帰んぞ。お前の机の上においてあった。どうせ女どもが準備したんだろ。送ってく。早くしろ。」
『えっ。う、うん。あっ!学ランありがと!明日アイロンかけて返すよ!』
高杉「好きにしろ。」
そう言って私を待ってくれる。
帰る時も歩幅を合わせてくれる。
電車に乗った時もわたしを守るようにして人混み側に立ってくれる。
『ありがとう。高杉くん。』
高杉「いや。いいんだ。じゃあな」
私は高杉くんの背中を見て、家に入った。