第1章 episode.00
目の前でタマゴサンドを食べている彼を見詰めて、ふと思った事を口にする。
陽「そういえば、食べちゃいけない物ってどうなるの?」
あ、でも猫の食べちゃいけない物とか分からないかな…。
颯「猫は猫、人は人ってなってるから問題ない。それに、ここの猫じゃないから食べちゃいけない物…というのは出てこない」
陽「へぇ…そうなんだ。便利だね」
颯「あぁ。…そうだ、名前聞いてなかった」
陽「ん…、陽葵。星川 陽葵」
ハムサンドを頬張りながら、そう返す。
颯「陽葵か…、宜しくな」
久々に呼ばれる名前に目を丸めつつも、すぐに微笑みながら頷いて
陽「宜しく」
まだまだ彼の謎は謎のままだな、それはこれから知るとして何となく始まった猫男、月丘と私の不思議な共同生活――――――…。