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色彩豊かなシェアハウスで

第2章 秀馬の辛い一日


嫌な予感は的中した。なんでこんなとこに来なきゃならんのだ……。

「さてしゅーまん。どこのお店に行く?」

午前十時、俺と瑠璃は隣街にあるショッピングモールに来ていた。

「瑠璃ちゃんが何欲しいかで決まるけど」

「じゃあじゃあ、服見に行きたいな」

「いいけど、どこの服屋いくの?」

「全部だよ?」

「は?全部?」

「うん。だってお店によってどんな可愛い服やかっこいい服があるのかわからないでしょ?だから全部見に行くの!」

「お、おう……」

こりゃハードな買い物になりそうだ……そう思うだけで嫌になってきた。






「いやー楽しかったねー」

「こっちは疲れたけどな……」

午後四時、俺にとって地獄だった買い物が終わり、歩いて帰っているところだった。両手は沢山の服屋の袋でいっぱいだった。

「ごめんねしゅーまん。荷物持たせて」

「いや……これは別にいいけどさ……なんで歩いてるんだっけ……」

「星鎖たんが家にいないから迎え呼べなかったんでしょ?」

「あー……そうだったな……まぁここまできたからいいか……」

そうこうしているうちに家に着いた。俺は玄関に入ってすぐに荷物を置いてその場に寝転がった。

「しゅーまん!邪魔だよ!」

「疲れたんだよこっちは……。少し待ってくれないか……」

「むぅ…………あ、ういはる。ただいま」

「おかえり瑠璃……秀馬さん、なんで倒れてるの?」

初春 涼。こいつの名前だ。男性陣の中で唯一さん付けする奴だ。瑠璃と同い年で高校三年生で、結構頭がいいらしい。見ると今からどこかに出かけるような格好をしていた。

「どこか行くの?」

俺の代わりに瑠璃が聞いた。

「ああ。学校のやつに呼ばれて、今から飯食いに行くんだよ」

「そうなんだ。……あれ?他のみんないないの?」

一人くらいリビングにいてもおかしくないのだが、今日は誰もいなかった。涼は瑠璃の質問にこう答えた。

「澤田さんと芹沢さん、八神さんに上谷さんは今日は泊まりに行くとか。黒月さんは仕事仲間と泊りがけでスキーしに行った」

「クロにぃもいないんだ……というかうえしょたんもいないの?」

うえしょ……上谷 将太。仕事がない日は部屋で本を読んでいるインドアの奴なんだが、泊まりに行くとは珍しいな……。
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