第6章 幼馴染
「星鎖たん、話があるんだけど、いいかな?」
歩結夢の部屋の扉をノックすると、すぐに歩結夢が出てきてくれた。
「どうしたの?」
「あのね……お姉ちゃんの事なんだけど……」
音羽の事を口にした途端、歩結夢は面倒くさそうな顔をした。瑠璃はそれを見て少し怯えながらも話を切り出した。
「その……最近話してるところ見ないから心配で……あの……怒らずに聞いて欲しいんだけど……お姉ちゃんも女の子だから、傷つく時もあるんだよ……だから……あまりそんな冷たい態度取らない方が──」
「アイツに関わるとろくでもないことしか起こらないから関わりたくないんだよ。どんな態度取ろうが俺の勝手だろ?いちいち口出ししないでほしいんだが」
瑠璃の言葉を遮った歩結夢は言いたい事だけ言って扉を強く閉めた。
その場に取り残された瑠璃はただただ扉を見つめていた。
その日の夜、音羽は研究道具を片付けるのに自室の中を歩き回っていた。
そんな中でも音羽は歩結夢のことを考えていた。
「なんであんなに無視するんだろ……ここまでするのは辛いよ……」
考え事をしながら作業をしていたせいで、注意力が欠けてしまっていた。
そのせいで持っていた本を机の上にあった薬品入りの瓶にぶつけ、床に落としてしまった。
落ちたと同時に瓶は割れ、中の薬品が床にぶちまけられてしまった。
「あ……片付けなきゃ……」
音羽はちりとりと箒を持って割れた瓶を片付け、床にぶちまけられた薬品を拭き取ろうとして近づいたその時、急に身体がふらついた。
「っ……!」
気づいた時にはもう遅かった。割れた瓶の中身は、以前瑠璃に使った媚薬を改造してできた強い媚薬だったのだ。
その臭いを嗅いだ時点で、音羽はその効果を受けてしまったのだ。
「か……身体……熱い……これ……まずいなぁ……」
何とか意識を保とうと頑張っていた音羽だが、不意にある事を思いついた。
「……うまく使えば……本音も言えるようになるはず……そうだ……今歩結夢の所にいけば……」
音羽はふらつきながらも歩結夢の部屋に向かって歩き出した。途中倒れそうになる場面が何度かあったが、それでも踏ん張って歩き続け、ようやく歩結夢の部屋に辿り着いた。
ドアノブを捻ると、鍵を閉め忘れていたせいですぐに開いた。
音羽は足音をたてないように部屋に侵入した。