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色彩豊かなシェアハウスで

第6章 幼馴染


「…………」

音羽は自室の研究机の前で悩んでいた。

「(最近、歩結夢が私に目を向けてくれない気がする……なんでだろ……)」

そう。ここの所、歩結夢は音羽以外の人達とは話すが、音羽とは全く話そうとしないのだ。昔からの付き合いの事もあるのだろう。しかし、音羽は寂しさを感じていた。

「(本人に聞いた方がいいのかな……でも……それで嫌な返答がきたら……どうしよ……)」

そんなことを考えていると、誰かが扉を叩いた。

「お姉ちゃん、いる?」

音羽を姉扱いしている瑠璃の声だった。
音羽は悩んでいることがバレないように無理矢理笑顔を作ってから扉を開けた。

「どうしたの?私に会いたくなった?」

「ううん……そうじゃなくて…………お姉ちゃん、最近元気ないから心配で……」

「……もしかして、バレてた?」

「バレてたも何も、ここ最近ずっと静かなんだもん。みんな心配してたよ?」

「……歩結夢も?」

「星鎖たんは『知らねぇよ』ってどうでもよさそうな感じだったけど……喧嘩でもしたの?」

「ううん……何も……心配かけてごめんね?私は大丈夫だから……」

音羽は無理矢理扉を閉めて自室に篭ってしまった。




「凄い落ち込んでたよ……」

リビングに向かった瑠璃はそこに居た黒月と秀馬、将太と春樹に報告をした。

「星鎖たんの事聞いてきたから、やっぱりそっちの問題かも」

「まぁ、最近話してるところ見てないもんな……というか、音羽が帰ってきてから全然話してないよな?」

秀馬の考えに黒月が相槌を打った。

「空港で軽い痴話喧嘩してから話した記憶がないんだが……」

「なぁ、それに関して歩結夢は何か言ってるのか?」

将太の問に答えたのは春樹だった。

「それがさ、別に話さなくても問題ないだろって冷たいんだよなぁ……」

「んー……私から話しておいた方がいいかな……」

「できたら頼んでもいいか?」

瑠璃は胸をぽんと叩いて笑った。

「任せてよお兄ちゃん。私が頑張って説得してみるよ」
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