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色彩豊かなシェアハウスで

第5章 本の虫と耳かき


※この章は都合上、短くなっております。予めご了承くださいませ。



瑠璃の熱が引いてから数日後の夜、将太はいつものように自室で本を読んでいた。
しかし、この日はどうしてもページが進まなかった。

「……コーヒーでも飲みながらにするか」

将太は本を持って、そのまま部屋を出ていった。




二階の隅にあるカフェスペースに来た将太は一度本を机に置き、近くにあったコーヒーメーカーを使ってコーヒーを淹れた。
淹れている最中に背後から椅子を引く音がした。
振り返ると、和也がレポートを持って座っていた。

「悪い将太、俺も貰っていいか?」

「構わないが、砂糖はいるか?」

「無しで頼むわ」

将太はコーヒーメーカーに目を戻して和也の分のコーヒーも淹れた。

「ほら、できたぞ」

「サンキュー。それにしても、お前が本持って出てくるなんて珍しいな」

「あぁ。なんか進まなくてな……」

「あまり話さないから今話しておきたいところだけど、こっちはレポートがあるからまたの機会かな」

「それは残念だな」

「ま、話すのはここまで。俺は今からこれ終わらせないとだしな」

和也はそう言って手元のレポートを書き始めた。
それを確認してから将太は一口コーヒーを飲んでから、本の続きを読み始めた。




将太は読み終わった本を机に置いて、壁にかかっていた時計を見た。
時刻は午前0時を回っていた。

「三時間もかかったのか……風呂入るの忘れてたな……」

着替えを取りに行くために立ち上がって、ふと机に目がいった。
自分が使っていたカップが無くなっていたのだ。

(和也が片付けてくれたのか……後で礼を言っておかないとな……)




脱衣場に着いた将太は服を脱いでタオルを腰に巻いてから風呂場に入った。
しかし、先客がいたようだ……。

「う、うえしょたん!?」

「る、瑠璃ちゃん!?」

声の主である瑠璃は丁度身体を洗っているところだった。
将太は慌てて風呂場の扉に手をかけて出ようとした。

「ま、待って!時間もないから空いてるところで洗いなよ……」

「あ、あぁ……わかった……」

将太は扉から手を離して、近くの洗い場の前に座って身体を洗い始めた。

「…………」

「…………」

お互いに話すこともなく、ただただシャワーの音だけが響く。
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