第1章 シェアハウス 「color's house」
すると、棟梁らしき人が
「この家の四分の一くらいだな」
と言った。私は流石に無理だと諦めてその場から離れようとすると、棟梁が私を止めて言った。
「何?お嬢ちゃん、弓道してるのかい?なら、弓道場を無償で建ててやろうか?」
私はもちろん、黒月……クロにぃやしゅーまんも驚いた。
「い、いいんですか?無償なんて」
「おうよ!お嬢ちゃんのがっかりした顔を見るのは御免だぜ」
そんなことがあり、このシェアハウスの隣には弓道場が建てられた。
私は道場に入って辺りを見回した。柱の至るところに「無心」や「一射入魂」などと書いてある紙が貼られてあり、扉の反対の壁には大量の的が置かれていた。私は隅に置いてあった道着にすぐに着替えた。その後、立てかけてあった弓に弦を付け、すぐ近くにある棚から弽を取り出し、右手に付け、矢を取りすぐに的に向かった。
「(よし……今日も頑張るぞ……!)」
私は目の前の的を睨みつけた。
「ただいま」
「お、クロ。やっと帰ってきたか」
俺はクロの分の夕食をレンジで温める為にキッチンに向かった。
「客が多すぎるっていうのに新しく店員を雇わないって……どうなってんだ……」
クロは椅子に座るなりだらけながらそう言った。
「店長に言えばいいんじゃないのか?」
「いや……言ったんだけどさ、これくらいなら対応できるとか言って、何もしないんだよ……」
「なんだその店長は……。ほら、グラタン温め終わったぞ」
俺はレンジから温めたグラタンをクロの前に出した。
「悪いな、いつもいつも作らせて……。それにしても、秀馬も料理上手くなってるな」
クロはグラタンを口にするなりそう言った。
「そんなに上手くなってるか?自分じゃそうは思えなんだが……」
「でもこれ結構美味いぞ?」
俺は顔を伏せて「そりゃどうも」と答えた。俺は洗濯物を取り込むために洗濯機のある洗面所に向かおうとした……。
その時、リビングの奥のドアの向からがたん、と何かが落ちる音が聞こえた。ドアの向こうにある弓道場では瑠璃が弓道の練習をしていたはずだ。何か嫌な予感がする……。俺はクロをリビングに残し、弓道場に向かった。