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色彩豊かなシェアハウスで

第4章 寒い一日


「それはそうだけどさ……」

「いいから……早く……!」

俺は渋々身体を拭き始めた。タオルが若干冷たかったせいか、瑠璃の身体がぴくん、と震えた。

「ん……クロにぃ……前の方もお願いしていい……?」

「いや……自分で出来ない?」

「あまり動きたくない……お願い……」

「じゃあ……前隠して?」

瑠璃は言われた通りに腕で胸を隠してこちら側を向いた。

「クロにぃ、なんで目瞑るの?」

「見ないようにするためやが?」

「むぅ……時間かかるから早くして!」

「お、おう……」

俺は諦めて目を開けた。
目の前にいた瑠璃は頬を膨らませながらこちらを睨んでいた。

「悪かったって。ちゃんとやるからさ」

そう告げてから俺は身体拭きを再開した。
瑠璃の白い身体を拭いていって思った事が一つ。

「……女の子って本当に腕とか細いんだね」

「当たり前じゃない。男の人と違って弱くできてるんだから……。あ、もういいよ……あとは自分でやるからさ……」

そう言われた俺は拭くのをやめて、持ってきた道具の片付けを始めた。その間に瑠璃は脱いでいた服を着直していた。

「ありがとクロにぃ……今出てくから……っと」

ベッドから起き上がった瞬間、立ちくらみを起こしてその場に倒れそうになった瑠璃を俺はすぐさま抱きとめた。

「だ、大丈夫?」

「う……うん……」

「部屋まで運んであげるから、大人しくしてて」

「うん……わかった……」






部屋を出て瑠璃の部屋に向かおうとした時、隣の部屋の扉が開いて、中から涼が出て来た。

「黒月さん、瑠璃どうしたんですか?」

「まだふらついてるから一人で歩くことが出来なくてね……部屋まで運んであげようとしてた」

「それ、俺に任せてもらっていいですか?」

「いいけど……大丈夫か?」

「ええ。それに、瑠璃と話しておきたいこともあるので」

「そうか……じゃあ頼むぞ」

俺は瑠璃を涼に預けて部屋に戻って片付けを始めた。
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