第9章 烏野のエース
飛雄が手を降り下ろし、ボールが来る瞬間にブロックの完成形を持っていくように飛ぶ
飛んだ時、世界がスローモーションになった気がした
空中で飛雄と目が合う
「ぜってー撃ち抜く」と言われた気がした
なので私も「絶対抜かせない」と目で訴える
そんな会話もつかの間、降り下ろされた手は、今更フェイント等には切り替えられない
しかも、私の居るところはコートの一番端、私の手の横にはすぐ、アンテナがある
あと、隣にはスガさんも居る
これぞ、姉弟の勝負
そして、飛雄の手にボールが当たる
ダ、ダダンッ!!
腕に当たるボールは重みが凄い
「クアッ!!」
空中でよろめく
地面に足が着いたとき、日向が叫ぶ
日向「ど、ドシャットだああ!」
私は、腕を擦りながら目の前の飛雄に向かって呟く
「この勝負、私の勝ちだね?」
そして、ニコッと笑ってみせた
影山「 チッ.....」
あからさまな舌打ちをしたあとに、フイッと余所を見る飛雄
あらら...ご機嫌斜めか...