第2章 in THE AFTERNOON
わたしが告げると、彼はスッと立ち上がりました。
「別に、普通でしょ?最近の人が冷たいだけで。」
「そうですか、ね…」
もともと人と話すことに慣れていない私は、
どう返答すればいいものか分からず、とても曖昧な返答をしてしまいました。
「なんてな。返しづらいこと言っちゃって悪いな。」
「い、いえ!」
彼は私の方を向いてくしゃっと笑いました。
彼の後ろからは昼下がりの太陽の光が降り注ぎ、
眩しすぎて目を細めたくなるくらいでした。
「俺、雪ノ下 椿。二年一組。アンタは?」
彼は一つ年上だったようです。
「えっと、伏見、恋歌と申しますっ。一年一組、です。」
「よろしくね、伏見サン。」
『つばきーーっ次移動教室だから急げよ!』
「あ、ごめんすぐ行くから!」
渡り廊下の方から聞こえた声に彼が応えた刹那、
昼休みの終わる五分前の予鈴が鳴り響きました。