第3章 STUDYING
放課後、中学時代はいつも、図書室に入り浸っていました。
最近の中学校や高校の図書室って、簡単な本が多いんですね。若者の読書離れを懸念しているのでしょうか。
私が図書室に入り浸る目的は、専ら勉強、もしくは小説を書くことでした。
可愛げのないことに、小説といっても恋愛ものとかは書けないんです。
経験って、大事なものですね。
経験がないものなんて、書けないじゃないですか。
そもそも、恋って何なのか。分からないまま書けるわけないじゃないですか。
登校一日目でしたが、学校に居残ることは許可されていたので、私は早速図書室へ向かうことにしました。
薄暗い部屋、うっすらと埃の匂い。
何故だか分からないけれど、落ち着く空間。
その図書室の本を管理するカウンターのようなところの一角に、
彼の姿がありました。