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(R18) ドリップ・ポルノ (HQ)

第5章  愛玩(及川徹の場合)



 じわと拡がった私の瞳孔を見るなり、彼が笑む。声に出しはしないけれど、その瞳はこう語っている。

 お前は本当にわるい子だね。
 カメラの前で痴態を晒して。

 なのに、感じてる。


「……ん、──……っ」


 僅か、身を震わせて彼が果てた。

 杭を引き抜いて吐露する及川さんが、スマホを持っていないほうの手で私の顎を掬う。

 自らの白濁で汚れていく私を、カメラに収めるためだ。ここで、やっとこの動画を行方を悟った。

 送りつけるのだろう、私の、元恋人に。この女の所有権は自分にあるのだと、そう誇示するために。


「椿、お前は俺のなに?」

 彼は問うた。
 私は答える。

「あなたの、……ペット、です」


 これでもかと目を細めて笑んだ彼。
 途端に普段の声色に戻って「そう、いい子だね」私の髪を撫でる。優しい眼差し、優しい手。

 慣れた様子でスマホを操作する彼の唇が、今宵、最後の言葉を紡いだ。








「──次裏切ったら、殺しちゃうから」


 了

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