第3章 2人の距離3
一頻り笑った後ぎゅっと抱きしめられた
「強引に決めたのは逃したくなかったから。由梨は直ぐに逃げそうだったから。一度俺、振られてるしね。」
そう言う和さん
キュッと胸が苦しくなった
そして抱きしめ返した
「…言ってなかったですけど。凄い嬉しいです。ちなみにこれはプロポーズですか?」
私がそう言うとクフフッとまた吹き出し
「フフッ。…そうだね。もうちょっとカッコつけたほうがよかった?」
と聞かれたので首を横に振った
「いえ。…和さんらしい。捻ったプロポーズで良いと思います。」
私が笑いながら言うと和さんも笑っていた
ところで、私達は付き合っているんだろうか。
ずっと疑問に思ってた。
大事な人だとは確信突いてたけど。
あれから数日後、私は荷造りをしながらテレビを見ていた。
今日は夜から仕事なので日中のうちに済ませなければいけない。
日中に荷造りを済ませた後は夜帰ってくる和さんが代わりに荷物を運び出す手筈になっている。
私は今日から和さんのマンションに引っ越すことになっている。
そして、今日和さんはまさかの記者会見をするらしい。
別に書面で良いのに。ちゃんとそこら辺は応えたいと言っていた
私達の結婚話は本当に私の知らない水面下でコツコツと計画を立てられていたらしい。
そして驚いたことに楓さんも空さんもそれを知っていて。
ちなみに二宮家に行き昼食をご馳走になった時のあれは結婚前の挨拶としての集まりだったそう。
お母さんもお姉さんもお父さんも知っていたけど和さんに口止めされていて、全て和さんの思い通りの展開だったみたい。
和さんの綿密な計画の元、今日がある。
記者会見の時間になり手を止めてテレビを食い入るように見つめる
やっぱ、嵐さんなだけあって記者会見をするって決まってからニュース番組はかなり騒がしい
そして記者会見が始まると沢山のフラッシュの前に和さんが現れ、綺麗な一礼をして見せた
そしてゆっくりと話し始める
「今日はお集まり頂きありがとうございます。」
「わたくし、二宮和也は兼ねてから交際しておりました女性と結婚させていただくことになりました。」
一気にフラッシュが焚かれる