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2人の距離

第3章 2人の距離3




ニノさんはそれから毎日の様に仕事が終われば私がいるいないに関わらず家に来ていた。

だんだんとニノさんの私物も増え今やニノさんスペースがテレビの前に出来ていてニノさん様の引き出しが一つ出来ていた



これはいったいなんていう関係なんだろう。

別に付き合っている訳では

ないと思う

そもそもそういう雰囲気にならないと言った方が良いかもしれない。
もしかしたらニノさんがワザとそうさせているのかもしれない。
そう思った事もあった。



ある日私は午後からの仕事で朝からゆっくり休んでいると楓さんから一本の連絡がきた。

「由梨今から時間ある〜?午後から仕事だから会わない?というか今由梨の家の前なのよ〜」
楓さんは私が色々あってからこうやって気にかけて時間がある時に連絡をくれる。

ただ家に突撃は初めてだった。

そして今は非常にまずい。
ニノさんは朝から仕事らしくただいまいそいそと出掛ける準備をしている。

「えっ!?い、いまですか?」
いつになく少し張り上げてしまった声にニノさんは少しビクついて私を見てなによ。と口パクする。

そして難しい顔をしている私を見て首を傾げているとインターホンがなった。
電話越しからも同じ様にインターホンが聞こえた。

もう家に居ないとは言えない。
聞こえない様に溜息をつき今開けますと言って電話を切った。


オートロックを開けるとニノさんは何かを察したのか
「え、誰かくんの?」
楓さんだと言うとあぁ。と納得していた。
すみません。と謝ると由梨は悪くないだろ。と言われた

そんなに焦ってないニノさんを見るとちょっと笑っていた。
「なんで笑ってんですか?」
ニノさんはえ?と言いながらまたちょっと笑って

「いや、これから俺が居なくなった後の楓ちゃんと由梨を想像した。」
楽しそうに言うニノさんに困った顔を見せると頭をぽんぽんとされた。

その時玄関のインターホンがなった。
急いで玄関に行くとニノさんも付いてきて、そのまま俺行くわ〜。と私を追い越し玄関の扉を開けた

「はよ。楓ちゃん。」
いつもの様に普通に挨拶するニノさん
顔は見えなかったけど多分ちょっとニヤついていると思う

それとは対照的に楓さんは目を見開き口を少し開けていた
そんな顔でも楓さんは美人だなー。と少し遠巻きに見ている自分がいた

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