第2章 両方ちょーだい。
「ひっ…く…ぅ…っ」
「…ほれ。どっち」
ニノが箱ティッシュとタオルを両手で差し出してる。
「うぅ~…あり、が、と…ぐずっ」
鼻かんで、顔面をタオルに押し付けた。
でもマジで止まんない。涙も、鼻水も、嗚咽も。まるで芹奈への想いみたいに、溢れて止まんない。
「三人とも、もうすぐ来ちゃうかんな?」
「ん…。わかって、る…」
「泣き止めとは言わないけどさ。…理由、聞かれたくないんでしょ?」
「…」
芹奈の好きな人
それは
十数年、一緒に苦楽を共に歩んできた
俺の大事な仲間
俺も大好きな人、だった…。