第13章 酸欠ワールド
「まぁ、無理にとは言わないけど…。でも、俺は、芹奈のこと、応援してるからね」
「…うん。あ、でもホントに言わないでよ?本人には、絶対絶対、ナイショだからね?」
「わかってるってば。言うワケないでしょ?…すっげぇ悔しいしっ」
「…ふっ。そんなに?」
「そんなにですよ。そらそうでしょ。あ。乗りかえはいつでも。大歓迎ですから♪お気軽にどうぞ?」
「乗りかえって」
「今ならナント!ステキなオマケがもらえるトクトクキャンペーン中だよ♪」
「んっふふふっ。何言ってんの」
…うん。大丈夫だな、俺。なんとかこのまま、いい雰囲気キープしたまま、今日は別れられそう…。
広い通りには、タクシーが結構客待ちしてる。この辺までで大丈夫かな。人目も多いから、通りのちょっと手前で俺は立ち止まった。