第12章 ひとり勝ち!
その直後だった。
まだ唇は触れたままだけど、目をパッチリ開けた芹奈と目が合った。すごい近くで。もちろん、お互い無言のまま。
「…」
「…」
その目の前で、俺はゆっくりと自分の唇を離した。
芹奈の
手の甲、から。
「…ご機嫌麗しゅう?お嬢サマ」
「――…」
…うん。さすがにね?
できねーよっ!そんな反応されたら!!
てか、ここでガチに唇にキスしちゃった日にゃ。俺、ホントにそれだけで終わる自信なかったから。たぶん、てか絶対、オオカミになっちゃってたと思う。
だって!我慢できるワケないでしょ!?好きな子にチューしちゃったら、もっともっとって。なるでしょ、フツー!!そんだけで止まる?無理だっつーのっ!!