第12章 ひとり勝ち!
はぁぁぁぁ~…
いや、ホント。マジ危なかったわ。結構飲んでるし。マジで抑えきかないって。もうさ、すでに1本くらいはネジ飛んじゃってるからね、フラレてる時点で。…いや、2本くらい?『チューさせて』とかガチで言っちゃってるしな。結構ぶっ壊れてんだよ、俺。だから、ホントにキスなんてしちゃってたら―…
『もういい、嫌われてもいい!やっちゃえ!!』
みたいな?
『キスしちゃったんだし、もう…同じじゃね?なら、どうせなら最後まで――…』
みたいな??
…野獣だな、俺。
や、わかんないけどね?実際したわけじゃないし。でも、そうなりそうかもって。つか、なったらヤだなって。自分が。絶対許せないから。
何となくだけど、ちゃんと唇にキスしてもいい空気だったとは思う。芹奈的に。ダメって言わなかったことが、たぶん、まあ、そういうことなのかな~って。超後ろ向きに、だろうけどね?もしかしたら…口止め料的なさ。そういうカンジでOKだったのかもしれない。や、わかってますよ。同情でも照れてんでもないってのは。
でも
やっぱできないって。そんな。芹奈の嫌なことなんて。無理ですって。だって俺、好きなんだもん。やっぱり芹奈には嫌われたくないんだよ。