第11章 理想はOK
ホント意外。ていうか、俺がビックリしてる。
だって、即答で『ダメ』って言われると思ってたから。『そんなの無理に決まってるでしょ!何考えてんのっ?』って。言いそうなのに。普段の芹奈なら、たぶん平手打ち付きの突っ込みで瞬殺されてる。
なのに
「…」
「…」
なんだなんだ、この沈黙は。逆に気持ち悪いんだけど。
…あ。そっか。もしかして『ジョーダンだよ~』って笑う俺を待ってるのか?うん、そうかも。
でもね。
ゴメン、それ、今日は言えない。だって半分以上、本気だから。困らせたいわけじゃないんだけど、ホントに俺、それで最後にしようって…。
でも
「…」
「…」
なんか、この沈黙、ずるいよ。だって芹奈は黙ってるだけかもしんないけどさ。なんか、俺をどんどんその気にさせるんだよ!諦めようって思ってるのに、逆にぐいぐい吸い寄せられちゃってるっ。どんどん、引き寄せ、られる…。
芹奈…
おまえ、実は意外と悪い女だな?