第10章 悪あがき
「でも、そっか。芹奈って、ああいうのがタイプなんだ」
「…タイプとかじゃ、ないけど」
「ウソ。タイプなんでしょ?」
「そーゆーんじゃないってば」
「じゃ、顔は?好きでしょ?」
「…」
「声とか、雰囲気とかは?好きなんでしょ?それも」
「……スキだけど」
「ほらぁ~」
「だからぁ!でも別に、タイプとかっ、そゆんじゃなくてっ」
「いーや、違うね。芹奈、絶対あの顔がタイプなんだって」
「違うってば!」
「俺、ちょっと整形しよっかなぁ…」
「…へ?」
「あの顔に。そしたら、惚れる?」
「無理。」
「…ちょっと。早くない!?今のっ」
ニノ並みのツッコミの鋭さだったよ!?
「顔だけ変えたって、絶対相葉くんだってわかるよ」
「そんなことないって!同じ顔なんだよ?わかんないってば」
「…笑ったらスグわかる」
「うっ。…で、でも、じゃあ、声も同じだったら?ならわかんないでしょ?」
「わかると思う」
な、なによ、その自信はっ。
「相葉くんの笑い方、嵐の中でもダントツで特徴あるし」
「…」
そんなダントツ、全然嬉しくない…。