第8章 何事も、忍耐。
「ね。芹奈、俺はだいじょぶだから。泣かないで…?」
「…うっ…」
うん。ホントに大丈夫。この程度のショックなんて、これまで何べんも経験してますから。
でもさ。そんなはかなく泣かれると、その。ついつい…ハグ、とか。したくなっちゃうからさ。ホントに。
「芹奈」
「っ…ひくっ…」
「…」
もうね。正直言っていい?俺ね、今…
芹奈のことギュ~ッ!てしたくて体ウズウズしてますっ!
でもそんなことしたらますますヤバくなるに決まってるから。俺だってね、そこまでバカじゃない。わかってるから。
だから…必死に我慢してる。こう見えて。だからお願いっ!頼むから、俺のためにも泣き止んでっ!?バカなことしちゃう前にっ!!
「芹奈、ね、お願いだから。もう泣かないで?楽しく飲も?ねっ?」
「…ぅっ…ん…」
「っ!」
「…ゴメン…ね?」
「!!」
そんな…
涙目で見上げるとか、可愛いことしないで~~ッ!(俺が大変だからッ!!)