第7章 リセットタイム
でも
真逆の感情も確かにあるよね、やっぱ。
まったくジャンルも何もかも違う人なら『あ~、しょうがないよね、それは』って諦めもつくけどさ。よりによってメンバーって。
メンバー…
そりゃね、確かに違いますよ?みんなそれぞれまったく別な五人だよ。でもさ。こんな近い人だと、なんか、さ。
余計に残念ってゆーかねっ!?
同じカテゴリーっつーか、ある意味、同じ条件みたいなトコあんじゃん。なのに、『そっち?』みたいな。よりにもよって、あえてここまで被ってるヤツに行っちゃった?って。近すぎる分、余計悔しいって言うか…。せめて―…関ジャニとかさ。同世代にしても、同じジャニーズにしても、せめて別グループの人にして欲しかったかも!せめてっ!!
…って思わなくはない。やっぱり。正直言えば。
でも、メンバーで嬉しいってのもホントなんだよ?だからよくわかんない。どっちも、確かに俺の中にあるんだもん。わかる?この、俺の今の、モヤモヤしたよくわかんないカンジ。
あ~…。なんかもうっ。とにかくスッキリしない!イライラってんでもないし…。ん~…なんだこれ?なんなんだっ??
「マスター!炭酸ちょーキッツイの一杯、お願い!」
「…」
芹奈の視線を感じる。わかってるよ。飲みすぎだって言うんでしょ?わかってますよ。
でも
ダメだ、マジで。ちょっと今、正気でいられる自信ない。ごめん、芹奈。
「だ~いじょぶだって。このくらいまだまだ」
「…」
この一杯飲むまで、ちょっと待ってて。スッキリするまで、ちょっとタイムね。