第7章 リセットタイム
「…そっか」
「ん」
「…」
さすがにもう、これ以上突っ込んで聞く気にはなれなかった。さすがに、今は。失恋ホヤホヤな今は。芹奈の一言一言もそうだけど、表情とか、ちょっとした仕草とか
もうね
全部無理!破壊力有りすぎっ!!俺のガラスのよ~に繊細なハートには、ダメージデカすぎっ!!!
「はぁ~…。そっかぁ~…」
残念だけど、俺のこの恋はホントに終わりだなって。だってどうしようもないんだもん。これ以上どうやっても、どうにもならないって。まだ真っ赤な顔してる芹奈を見ながら、俺、思い知ったよ。誰を想ってそうなってるか、リアルに相手の顔が浮かんじゃうからさ。余計に…。
「…あの。ホントに、ごめんなさい…」
「いやいやいや。全然。責めてんじゃないから。マジで気にしないでって。そんな顔しないでよ。ねっ?ほら、飲んで飲んで」
「…」
やべーやべー。芹奈の方を落ち込ませちゃったよ。油断したら無意識にため息出ちゃうからな。気を確かに持たねーと。せっかくの楽しい時間なのに。せっかく延長頼んだのに。
「ホント俺のことは気にしなくていいから!ね?ほら。俺が勝手に、好きになっただけだからさ。嫌いになるより全然いいじゃん!んねっ?」
「…」
「もうさ、そゆの関係なく!これからも嵐のファンでいてよ。ねっ?」
「……うん」
「それに、ほら。メンバーなら、他よりはさ、嬉しいからっ」
「…そう、なの?」
「そうだよ。そうでしょ?」
それはウソじゃない。いや、嬉しいよ?実際。良さをわかってくれて、好きになってくれて嬉しいって。ヒトゴトなのに思っちゃう。