第7章 リセットタイム
「…そんな、好きなの?」
「……ん…」
「照れんな照れんなこのぉ~!ね。じゃ~さ、どこが一番好き?」
「えっ」
あ。俺、別に自分の傷口えぐってるわけじゃないよ?そこまでMじゃありませんから。ただね。…諦めようと、ちょっと前向きに頑張ってるだけ。
「そりゃ~まあ、イロイロあるとは思いますけど?なんか…決め手?『ココが一番好き!』ってとこ。どこ?」
「えええ~…」
「ねっ。いーじゃん、もう。ねっ?教えて教えて?」
顔?声?ドラマのキャラとか??いろいろあるじゃん、ほら。俺と違うとこがさ。もともと大してみんな似てないけど、決定的に違うってとこを―…
「……やさしい、とこ」
「…」
うん。芹奈。それさ。
俺、一番聞きたくなかったかも。言わないで欲しい好きなとこ第一位だったかも…。
「…そっか。やさしいとこ、か」
「うん…」
「うん、わかる。俺もそう思う」
「ホント?」
「うん。五人でいるときも優しいもん。ホント優しい。俺もね、大好き」
「…うん…」
ウソじゃない。ホントに優しいって思ってるし、俺、マジで大好きだよ。
でもさ
「…」
俺だって優しくしてたよな?って。ほら。思っちゃうから。芹奈に対してさ、そんな違わなかったよね?って。
でも…
ま、しょーがない。うん。それだけじゃないんだろうしさ。こればっかりは。しょーがないよね。