第6章 移り火
「そうなんだ…」
「…」
まあ、俺も含め、芹奈はメンバー全員と知り合いだしね。仲もいい方だけど、でも、そういう男女ってカンジじゃないっていうか。個別にはそこまでじゃないかなって。俺は思ってたんだけど…。
「そっか~…。嵐は嵐でも、ソッチか…」
「う…。ご、ごめんなさい…」
「え?あ。ううん、芹奈が謝ることないでしょ。好みはさ、人それぞれだし」
「…でも…」
まあ、ね?そりゃ確かにショックですよ。同じ嵐としては。でもそう来たら…ねえ?非難も否定もしないよね。できないよ。だって。わかってるもん、惚れるくらいの男ってことは。
「いいんじゃない?いい趣味してると思うよ」
「…」
「いや、マジで。さっすが芹奈ってカンジ。お目が高い。やっぱね、カッコいいしね?カレ」
「…」
うん。ホントにそう思ってる。俺、メンバーの誰を好きって言われても、『あ~、わかる~』って共感できるもん。だって嵐イチ嵐を愛してる男だからね?俺は。
それに、芹奈よりも断然俺の方がいろんな顔を知ってるし。ある意味、あんま好ましくないような面もさ。電波NG的な。でも、それでも俺、やっぱ大好きなんだよね。たぶん芹奈以上に。昔も今も、きっとこれからも。一人だけってわけじゃなく、四人ともそう。気持ち悪いけど、ガチで、本気で…そう思ってる。