第6章 移り火
「芹奈が嵐を好きでいてくれるのは知ってたけど…。そっかそっか。あのお方でしたか。芹奈に火をつけちゃったのは」
「うぅ~…。も、あんま言わないでぇ…」
「なんで?もういーじゃん。今日はソレをおかずに飲み明かそうぜいっ♪」
「…絶対イヤ」
「なんでよ。もうぶっちゃけトークしよ~よ。ね?今夜は恋バナ祭りってことで♪」
「ヤダ」
「なんでっ」
「恥ずかしいからっ!決まってるでしょっ!?」
「え~…?」
…ねえ。そういう反応、どーなの?ちょっと。急に女の子っぽいっていうかさ。
「そ?ざーんねん。俺の知ってるとっておきの情報、教えてあげよっかな~って思ったのに」
「えっ」
「…」
「…あ」
「ふっふっふ。やっぱ聞きたいんだぁ~?」
「…もうっ!からかわないでよぉっ」
「からかってないよぉ~」
「嘘!めっちゃからかってる!!」
ねえ。だからさ。芹奈ちゃん?そんなあからさまに顔赤らめる必要ある?お酒飲んでる上に、そんなポッて。漫画じゃないんだから。そんっなわかりやすく“恋する乙女”って顔されるとさぁ…。
「ホントは聞きたいんでしょ?ええ?素直に吐け吐け、このぉ♪」
「~~~別にっ!?」
そんなわかりやすく強がりな態度とられるとさぁ…。
こっちもウッカリ『可愛いなこんちきしょう!』とか、思っちゃうでしょ?ガン見しちゃうから。なんせあなたに惚れてんだから、こっちは。そんな取り乱してる七変化な顔が見られて超ラッキー☆とか。ちょっと思っちゃうじゃん。
そんでもって
…妬いちゃうでしょ。