第5章 灯台内も暗し!?
「…」
「…」
え?
「――マジでぇぇ~~~っっ!?」
「声おっきいっ!」
「あ。ゴメン。…マジ、で?」
「…うん」
「え、冗談とかで、なく?」
「…なく」
「本気、で?」
「……ウン」
「え~と。それは~…。あの。うちの、あの、カレ…のこと?」
「う、ん…」
「だよね?他にいねえよな?うん。うん…」
「…」
確かにいないよ、俺らの周辺にその名前で同姓同名の人は。芸能人じゃなくても知り合いにはいない。
でも…
「ホントにっ?ガチでぇっ!?」
「だからっ!しぃーッ!!」
いやいや。そりゃ声もおっきくなるよ。名前だって耳通り抜けちゃうよ!
だって
それは俺のよく知ってる、よく耳に馴染んだ名前。顔だって馴染んでる。もう見飽きてますけどってくらい、しょっちゅう顔合わせてる人の、名前…だったから。
「マ~ジかぁぁぁ~~~…!」
「そ、そんな驚かなくても…」
「いやっ、驚くよ!驚くでしょっ!?」
「そ、そう…?」
「そーだよっ!!」
だってそんな―…。これぞまさにアレでしょ?灯台下暗し。だってもうさ、俺と一心同体っていうか。灯台下っていうより、一緒に灯台っていうか…。
…そっか。そうきたか。そうきましたか。あ~…そうなんだ。よりにもよって…
メンバーって!!!