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家事のお姉さんと歌のお兄さんと

第9章 先輩と後輩と私




「私、Re:valeのお2人を誤解してたようです……すみません」

「いいっていいって!色んな御崎ちゃんの表情見れて、逆にラッキー!みたいな?」

「俺は大和くんと違って怖い人じゃないからね、安心していいよ」


百さんが私の前でニッコリと笑えば、方や千さんは私の肩に手を置いて、ニコニコと話しかけてくれる。


「あはは、そうみたいですね!ありがとうございます、若輩者ですがこれからよろしくお願いします!」

「あのさ、俺が怖い人みたいな体で話を進めるのはやめてくんない?」

「わーーー!!!!」

いつの間背後を取られていたのか、そもそもいつ入ってきたのかも全く分からないけど、真後ろ、真上から不機嫌そうな声が降ってきた。こんなタチの悪いスキルの持ち主は一人しかいない。


「や、大和くん……」

「どーも、うちの家政婦さんがお世話になったようで、セ、ン、パ、イ。ところでセクハラはやめていただけませんかねー」

「相変わらず君は手厳しいな……」


千さんの手をそっと、そう、両手で包むように優しく優しく私の肩から外していく。とても紳士的な動作に、輝くような笑顔が眩しい。眩しいほどに怖い。さっきの万理さんとどっちが怖いだろうか。


「皆腹空かせて待ってるのに、こんな所で不倫なんてみんな泣くだろー」

「不倫も何もお母さんは例えだから!それに旦那もいないし、そもそもRe:valeと不倫の間柄なんて有り得ないでしょ!」


あぁもう、ほんとに今後この人のマネージャーで私生きていけるんだろうか。


「うんうん、これなら大丈夫そうかな」


どこをどうとれば大丈夫なんですかね全く。


「そうそう今日はRe:valeの2人も晩御飯食べてくみたいだから、仲良くしてってね」

「はい!千さん百さん、よろしくお願いします!」

「よろしくお願いします、百さん」

「よろしくね大和!」

「ちょっと大和くん、俺は!?」


千さんの扱いがちょっと可哀想になりながら、腕を振るうために寮のダイニングキッチンへ向かう。
すぐに出来ないから応接室等でゆっくりしている方が居心地いいだろうに、Re:valeの2人もついてきた。
大和くんは千さんを威嚇しながらスマホをいじっている。相性悪いのかなこの2人……。

軽く2人を見ながら扉を開けた。

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