第9章 先輩と後輩と私
パンパン!!パン!
「!?」
「御崎さん!!改めて来てくれてありがとうございます!!!」
全員が声を揃えて私にクラッカーを鳴らす。
迎え入れてくれた一織くん、三月くん、環くん、壮五くん、ナギくん、陸くん、紡ちゃんだけではなく、後ろの大和さん、百さん、千さん、そしていつの間に居たのか万理さんまでもがクラッカーを手にしていた。
「えっ、ちょっと待ってどういう……えっ?ご飯の準備も出来てる?……でもさっき大和くんがお腹空いたって……え??」
「ははっ、お前さんを引き止めて置くように頼んだのは他でもない俺らなんだぜ」
「えっ、じゃあ社長やRe:valeのお2人も……仕掛け人?」
そっと振り返ると万理さんの影から社長も顔を出して手を振っている。
「そんなとこでーす!ま、俺たちは新人ちゃんが来たよーってメンバーから聞いて、せっかくだから顔みたいなーと思ってたからちょうど良かったんだよね!」
「百はすぐそういうの食いつくからね。でも、全然違うタイミングであったのに、全員が御崎ちゃんの話をするからよっぽどなんだろうなと思ったけど……これは確かにね」
「私そんなにみんなに面白がられてるんですか……」
いいんだか悪いんだか……でも、このサプライズはとっても楽しくて、びっくりして、嬉しかった。
「じゃ、僕と万理君は仕事に戻るから」
「名残惜しいですけどね……千、ちょっかい掛けすぎるなよ?俺の、後輩だから」
「万……ほんとに俺のことをなんだと思ってるの……」
そんなやりとりにドッと周りが沸いた。
「じゃ!今日は俺達からの歓迎会ってことで!」
「ワタシ達で御崎の為にお料理作りマシタ!」
「もちろん酒もあるぞー、社長にも了承済みだ」
社長と万理さんを見送ってから、三月くん、ナギくん、大和くんの3人が私をグイグイ中へと押し込む。
「遅くなったけど、来てくれてホントにありがとう!」
「まぁ、思ったより使えそうな人で安心しましたよ」
「また一織はそうやって!」
ニコニコと引っ張る陸くんと、その横で困ったように笑ってる一織くん。2人は本当に仲がいいんだな。
わらわらと私の周りに人が集まりだして、今までこんなに手厚く歓迎されたことも無かった私は少し戸惑ったけど、でもやっぱりそれ以上に嬉しい。