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家事のお姉さんと歌のお兄さんと

第9章 先輩と後輩と私




「なるほどなるほど……どうしてかな?」

「ええと……大和くんならきちんと1人でも平和的だと思います、むしろ下手に横槍入れても変にリズム崩れて邪魔になりそうかと……MEZZO"の2人はとても素直で話もきちんと聞いてくれますし3人で協調性を取って進めていくことでより安定感を出せるかと思います」

「ふむ……なら、明日からマネージャー代理……いやもう実質はマネージャーの様なものなんだけどね、まぁそれとしてやってもらうことにするよ。明日は結構休みの子が多くて紡もサポートについてあげられるしね」


入社三日目、とても立派な大役を授かった。よもやこんなに早くその時が来るとは思ってなかったけど、忙しい仕事を出来るのは願ったり叶ったりだ。これからもっと頑張って行こう。


「わかりました。では明日はMEZZO"のお2人と紡さんにご教授願う事に致します!」

「あはは、明日MEZZO"はおやすみだよ」

「へ?」


さっきと何も変わらない笑みで、楽しそうに一言。


「君は二階堂大和君の専属マネージャーだよ」

「えっ!?」


完全に斜め上の回答だ。さっきの話からなんで私を大和くんのマネージャーにするのか、理解が追いつかない。


「まぁ、専属と言いながらたまーにMEZZO"を見てもらうこともあるかも知れないけどね、よろしくお願いするよ」

「あっあっあっ、あの?すみません社長、私の足りない脳みそでは何故大和くんの専属になるかが理解出来ておらず……もしかして元々決まっていたのですか?」

「ん?いやいや、御崎君の言葉から導き出した答えだよ。大和君はとても優れた役者で、チームを引っ張るリーダーとしても申し分ない、まぁ彼的には放任主義と言っているらしいが、とても適任だと思う。君は見る目があるよ。君の言う通り彼は本当に安定している。だからこそだよ」

「と言いますと……?」

「彼に今必要なのは変化だ。彼はね、少し臆病なところがあると思うんだ。そこで変化なんだよ。今あるものを守る。成長と言う変化はもちろんしているけど、彼にはもう少し環境の変化と言うものを与えたいんだ。そうする事で、きっと役の幅も広がるだろうし深みも出る、僕はそう信じてるよ」


これは逃げられないぞ。きっとこの、信じる、は私への何か期待を持ってるのだろう。
難しそうだけど、期待には応えたい。

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