第8章 Side ~二階堂 大和~
こりゃマジで修学旅行生みたいなノリにしかなってねーな。
なーなーお前誰が好き?どの子可愛いと思う?とかと同じレベルじゃねぇか……。
いや、でもまぁコイツらの割とlove寄りの気に入り方と違って俺のはlikeだから同じって訳でもないか。この事務所割と緩いけど恋愛に関してはどうなんだろうな。結構フレッシュなイメージで通してるはずだから恋愛事情とかはきっとNGっぽいし……あ、でも一人居たか、未成年の癖に抱かれたいランキング5位入ってたやつ。大人の色気がある筈のお兄さんを差し置いて抱かれたいランキングに入ってるやつは、メンバーから見たら一番そう言うの興味無さそうだと思ってたが……でも、ちゃんと嫁さんの希望タイプとか言えるあたり、想像よりは子供じゃないらしい。
将来コイツらの誰かとアイツ結婚すんのかな。ははっ、面白そうだ。
……面白そうだ、そう思っているはずなのに、何故かどこかで不満足そうな俺が出てきかけている。競走事とかも面倒いし、オーディションの時と同じで……いや、今はそれよりも愛着や情が湧いてるコイツらを蹴落としてまで手に入れるもんじゃない。俺は大人だ、キチンと引いておくべきなんだ。
「ワタシも、結婚するなら御崎が良いデス!ワタシの国に連れて帰って紹介したいデス!」
「連れ帰らないで下さい!全く……皆さん意識早すぎませんか!?普通もっとこう……始めるなら彼女とかから……」
「何一織照れてんだよ!男はドーンと構えて!結婚まで考えてくれる男の方が安心感あると思うぜ!」
……引いておくべきなんだが……。
「そうなの!?三月物知りだなぁ……俺、結婚したらどんな風になるかな……」
「えー、りっくんもルリちゃんと結婚したいの?じゃあ、ライバル、ってやつだな」
「ま、まさか!御崎さんと、だとは言ってないよ!!」
「あはは、陸くん顔真っ赤だよ」
「うぅ……でっ、でもそう言う壮五さんだって!」
「僕は!僕はそんな……っ」
……。
「御崎マイプリンセース!!」
「っ……はは、お前らそんなにマジなわけ?お兄さんお前らの若さに付いていけねーよ、若いっていいねぇ」
茶化した様にやれやれと振舞いながら笑った。
すると、マジ、のところが全員の中で引っかかったのか一気に静まり返る。