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家事のお姉さんと歌のお兄さんと

第8章 Side ~二階堂 大和~




落ち着いたらってどれぐらいなんだろうな。まぁいいか……しかし、眠気がそこそこ来ているのは否めない。
下から物音はするし、起きてるんだろうな……眠気覚ましと暇潰しの為に降りてみるか。


「あ、大和さん、起きてたんですね」

「日付変わる前には寝るつもりだけどな。まだ眠くないし、お前らが修学旅行生みたいな盛り上がり方してるから来てみた」


入口の近くにいたソウが俺に気付いて声をかける。と言うかお兄さんそんなに寝てるイメージしか……あーいや、寝てるか。


「なーヤマさん、俺、結婚するならあーゆー奴がいい」

「うん、突然過ぎてお兄さんなんの事か分かんないぞ?」


いや、分かってんだけどさ。


「ルリちゃんキレーだよな」

「別に普通じゃないですか?」


はいきました。お子様ってホントにストレートに表現するんだな……。
後頭部あたりで手を組みながらニッと笑うタマ、その後ろで軽く口元に手を当ててるイチ。その目はどこか落ち着きがなく、何かを思い出しているようだった。

コイツ、そういえばさっきアイツの帰り際の挨拶の時……。


〝なんて可愛い人だ……〟


あん時は聞き間違いかと思って思わず二度見したが……この様子じゃあながち聞き間違いでもなさそうだな。
おー、お子様達に人気者ですよお母さん。


「でも本当に御崎さんって可愛いよね!」

「だよなー!お母さんって言ってたけどあれは可愛い新妻だよなっ」

「新妻……」


無邪気なリク、何故かドヤっているミツ、ワードに恥ずかしそうに反応するイチ。
ちょっとちょっと、言わせておけば……そう思いながらもなんとか飲み込む。ダメだ、いつもの調子に戻れ。


「いーや、お前さん方分かってないなー。ありゃピュア美人系若奥様だ」

「違いあんま分かんねーけど、可愛いよりはキレーって、俺は思う。可愛いーのもあっけど、そーちゃんが歳上にはあんま〝可愛い〟って言うなっつってた」

「そうだね、嫌がる人もいるからね。でも環君の気持ちも分かるよ、御崎さん本当に綺麗だと思う……たまに笑顔とか……可愛いなって思いますけど……」

「NO!選べないデース!」


ミツと別意見の俺、ソウの言葉を思い出しながらのタマに、最初はそれを褒めたもののどんどん照れて尻すぼみになるソウ。
オマケにお花畑モンスター1匹。

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